Elizabeth Peyton: Still life 静/生

品川の原美術館で、Elizabeth Peytonというアメリカの女性画家の展示を観た。「Still life 静/生」という展示タイトルで、国内では初の個展となるとのことだった。

from Michael Werner Gallery website

かなりざっくりとしたタッチで、透明感ある淡い彩度の肖像画を多く描いている作家で、エドワード・ホッパーとかリュック・タイマンスのような、あえてディティールを描き切らない素朴さのある形と、そこにあたる光の感じがきれいで、かなり良かった。

from ART-iT website

ロックミュージシャンのポートレートが何枚かあって、カート・コバーンとかシド・ヴィシャス、ジュリアン・カサブランカス、ピート・ドハーティ…などのものがあった。実際に会って描いているわけでなく、写真から起こしているらしいが、どれも本人の特徴をとらえつつも、何か未熟さを感じさせる筆づかいによって、素朴な表情になっていた。何か、中学生くらいの年齢の子が、憧れるままにスケッチブックに模写したような雰囲気があり、技巧的な感じが一切しないので、すごく親しみを感じて、いい絵だなと思った。

画家としてのキャリアが25年近くある作家なのだが、巧くなって退屈になってしまうことから逃れきっていて、良いなと思う…。遠い昔に絵を描いていたけど、久しぶりに絵筆をとってみました、といった雰囲気の、光をきれいに捉える成熟した観察眼と、それに追いつけない稚拙な筆づかい、といったアンバランスさが、凄く印象的なバランスになっていた。

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