萩原恭次郎:タイポグラフィに興味をもったきっかけ 04

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時系列が若干前後するが、のちに朗文堂という出版社でタイポグラフィを学んでいた際に、新國誠一や北園克衛に興味があると伝えたら、萩原恭次郎というダダイズムの詩人を教えてもらった。それの組版も面白い試みをしているという。
見せてもらった紙面は、確かに、うねりの強い金属活字の文形と、様々な文字サイズや役物が混植されたリズミカルで迫力あるもので、埃っぽい暴力的な雰囲気がよく表現されていた。

大正末期に発売された初版本などはとても高くて買えないが、復刻されたものは古本屋などで安く売っているはずと聞いた。現代人である自分は、古本屋に出向く前にまずネットで検索をし、それが普通にアマゾンで売られていたので、買ってしまったのだが、実は、復刻版は平成になって出版されたものと、昭和に出版されたものと2種類あり、平成のものは、前述のカッコイイ組版が全く再現されていないことを後になって知った。その後、昭和のほうを探して買い求めたので、上の写真のように同じ本が2冊ある。左が昭和のほう(特選 名著復刻全集 近代文学館・刊)で、右が平成のほう(日本図書センター・刊)。

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上が昭和、下が平成。表紙は似ているのだが、内部が全く違っていて、構成は再現しようとしているものの、使っている活字が違うので、文字の持っていた破壊的な強さが消えてしまっている・・・。このサイズだと分かりにくいので、下にもう少し寄った写真を載せる。

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上が昭和のほう、下が平成のほう。上は息の粗さがありありと表現されているが、下のはすごく淡々としていて弱弱しい。

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同じく上が昭和、下が平成。文字サイズのコントラストも弱くなっている。

便宜上、昭和、平成と言っていたが、昭和に復刻されたほうは、大正末期の初版本をそのまま再現しているので、大正と平成と書いたほうが分かりやすかったかもしれない。平成の日本図書センターからの復刻版は、帯に「初刊のデザインの香りを伝える新しい愛蔵版詩集シリーズ」とハッキリ書かれているにもかかわらず、このように全く再現されておらず、とても紛らわしい。。

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