向井周太郎:タイポグラフィに興味をもったきっかけ 01

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向井周太郎「人間」 (向井周太郎「かたちの詩学」コンクリートポエトリー選集より)

2016年10月22日に記事を訂正しています。それまでの記事では、この「人間」という作品が新國誠一氏の作品であると書いてしまっていましたが、それは誤りで、向井周太郎氏の作品でした。ご本人様よりご指摘をいただきました。大変申し訳ありませんでした。

自分がタイポグラフィに興味をもつきっかけとなったのは、上に掲載した、「人間」という作品だった。それは向井周太郎というかたの手によるもので、この人の名前自体は、後になって知ったのだが、思い返せば、確か高校生ぐらいの時に、上の「人間」という詩とも絵ともつかないような作品が新聞に載っているのをたまたま見たことが発端になっている。その時に、これは面白いなと思って、このレイアウトがずっと記憶に残っていたのだが、ある時、大学図書館で調べ物をしているときに、偶然この詩が掲載されている本を手に取った。そこでこの人の名前を知った。

その手に取った本というのが、「かたちの詩学」という本で、その本の一部として、数多くのこのような視覚詩が紹介されていて、これらの作品が「コンクリート・ポエトリー」という1960年代に世界的にムーブメントを起こしていた前衛詩の運動に関連しているということも分かった。それは純粋に言葉だけで詩情を生み出そうとするのではなく、そのレイアウトや文字のかたち、空間的構成によってその意味に深みを与えていこうとする運動だった。

ただ文字を分解して空間的に並べただけなのに、文字や単語それだけの意味を超えて、新しい視点をつくっていることがとても面白いと思った。文字の形や空間によって、ただの記号がそれ以上のものになって、感情やイメージを伝えていく。このことは自分にとってとても印象深く衝撃的なできごとで、もっとこういう作品を見たいという思いにかられ、もろもろコンクリート・ポエトリー運動について調べ始めていった。。

 

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