低温調理器を自作 01

肉の低温調理

自分は別に料理好きでも何でもないが、2,3年ほど前から興味を持っている料理の手法に「低温調理」というものがある。詳細は他サイトでいくらでも解説されていると思うので、割愛するが、要は低温(60度前後)で数時間かけてじっくり肉に火を通すことで、安いガチガチした肉でも、パサつかず、やたら柔らかくおいしく仕上げることが出来るというもの。

自分は、手のかかる料理というのにはあまり興味がないのだが、この手の「ほったらかしておくだけでどんどんおいしくなる」系の料理には興味があり、過去にも、煮込みをガス代もかからず手軽に行うことのできる魔法瓶鍋などを購入し、現在も活用している。自分が何か別の作業をしている間に、料理が勝手においしくなっていくという状況は、自分にとっては、時間を倍増させているというか、人生が二倍になっているという感覚すら感じるものがあり、素晴らしいと思っている。ずっと見張っていたり、ひたすら工程が多くて手のかかる料理などは、時間を無駄にしているようにも感じてしまって、よくない。

しかし、肉の低温調理というのは、1度単位でのシビアな温度管理を長時間(2時間以上)つづける必要があるため、手動でやると、ひたすら台所に張り付いて、温度計を見て、火をつけたり止めたりを繰り返すという、まさに自分の最も嫌う状況を作り出してしまうので、機械によって自動化する必要がある。

なぜ1度単位というシビアなコントロールが要求されるかというと、理屈としては「Cooking for Geeks」という料理科学本にくわしいのだが(またはkwappa氏によるこのスライド)、要は

・肉のタンパク質に含まれるミオシンとかいう成分が、50度以上で変性をはじめ、うまみを感じる成分に変わる

・コラーゲンは56-62度の温度域で十分な加熱をされると、柔らかく変性する

・しかし、66度以上になると、アクチンという成分の変性が起こってしまい、水分が出て肉がジューシーさを失い、どんどん固くなっていく

という話なので、

・65度以下の温度でひたすら肉を長時間煮るのがベスト、66度以上には絶対に上げてはいけない

ということになる。

このように、温度管理を間違うとすべてが終わる状況下のため、低温調理をやる者たちは、ひたすら鍋に張り付くとか、温度調節のできる温水器でお湯を垂れ流し続けるとか、もろもろの努力をはらってきていたようだった。

だが、2,3年前にAnovaという、低温調理専用の、鍋にアタッチして使える温度調節器具の真打ちが登場し、温度管理を全自動で行えるために、それさえあれば、まさにほったらかしておくだけで、ジューシーな肉が完成するという状況が作り出せることになった。

低温調理器の本命Anovaは高いので、自作へ

ただAnovaは円高の現在でも2-2.5万円と安くはなく、自分の場合、飽きる可能性もあるし、買うのをずっとためらっていた。

しかし自作なら安く作れるのでは?と思い、ググったところ、やはり既に自作している人がいて(リンク:御食事件 低温調理器を自作する)、これだと5000円程度で作れるようだった。この人の天才的なところは、サイトには明言はされていないが、「低温調理器って要は熱帯魚の水槽の温度管理システムと同じでは?」と考えたところで、実際に熱帯魚水槽用のヒーターとポンプ、サーモスタットを活用し器具を制作していた。

自分もこの人のやりかたで、低温調理器を自作した。作業時間は、2時間もかかっていないくらいであっさりと完成した。

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早速、63度で4時間ほど、豚バラをやってみたが、ほったらかしておくだけで、非常に柔らかく、おいしい仕上がりとなり、満足している。

一応、誰か作りたい人がいるかもしれないので、この器具のDIY工程を細かく書いていこうと思うのだが、記事が無駄に長くなりそうなので、その過程は次の記事に回そうと思う。

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