先月、チェコに行った際に、プラハにあるキュビズム美術館を訪れた。そこで買ったカタログのタイプフェイスが面白く、全てのOが六角形になっていた。
ここはキュビズム美術館といっても、キュビズムの絵画でなく、家具がメインで置かれており、20世紀初頭にチェコでのみ一瞬、流行したカクカクしたポリゴンのような造形のテーブルやイス、シェルフなどが置かれている。
その幾何学的な雰囲気の要素を少しだけアクセントとして文字に取り入れ、Oをカクカクの六角形にしてあるのだが、それがほどよく全体の雰囲気に統一感を出していて、良かった。会場のキャプションなどにもその文字が使われていた。
このように一見、普通っぽいのだが、細部に違和感が仕込んであって、それが特徴的になっているというフォントは、昨今よく見かけるようになった。ロンドンのデザインイベントのDesign Junctionで使われていたpx groteskというフォントなども、パッと見、普通っぽいが、変なところが直線になっていて、曲線と直線がガタガタとつぎはぎされたようなフォントになっていて、おもしろい。。